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糖尿病

糖尿病とは

糖尿病とは飲食によって体内に取り込まれた糖質は、消化吸収されてブドウ糖へと変換されます。通常、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が飲食によって上昇しても、膵臓からのインスリンというホルモンによって抑制されます。
糖尿病では、このインスリンの分泌量が不足したり、効きが悪くなることで、食後の血糖値が急激に上昇し、また長くその状態が続きます。慢性的な高血糖状態は、エネルギーとしての血糖の利用を阻害し、全身の血管にダメージを与え動脈硬化を進行させます。
血糖値は食事や運動、薬剤、感染症などの影響を受けやすいため、過去1~2カ月の平均的な血糖値が反映されるHbA1cにも注目して診断します。

糖尿病の種類(1型糖尿病、
2型糖尿病、妊娠糖尿病)

糖尿病の種類としては、1型糖尿病・2型糖尿病がよく知られています。ただ、主に生活習慣の乱れを原因とする2型糖尿病が圧倒的に多くなります。
妊娠中に起こりやすい妊娠糖尿病と合わせて、各タイプについてご説明します。

1型糖尿病

膵臓のβ細胞が障害され、インスリンがまったく、またはほとんど作られなくなることで発症します。
主に小児期に発症し、遺伝的要因・生活習慣の影響はほぼないと考えられています。
2型糖尿病と異なり、発症後は速やかにインスリンの自己注射を開始する必要があります。

2型糖尿病

インスリンは作られるものの量が不十分である、またはインスリンの効きが悪いことで、慢性的な高血糖状態になります。
主に中高年で発症し、生活習慣の乱れ、そして遺伝的要因が大きく関与します。
治療では食事療法や運動療法、必要に応じた薬物療法が行われます。インスリンの自己注射が必要になることもあります。

妊娠糖尿病

妊娠中は、インスリンの働きを抑えるホルモンが胎盤から分泌されます。そのため、慢性的な高血糖、糖代謝異常の状態に陥りやすく、これを妊娠糖尿病と呼びます。厳密な糖尿病ではなく、出産後には元に戻ることがほとんどですが、妊娠糖尿病になった方は将来的な2型糖尿病のリスクが高くなると言われています。
妊娠中も、適切な血糖コントロールを行うことで、赤ちゃんへの影響を最小限に抑えます。

糖尿病の2つの原因

飲食によって糖質が血液内へと分解吸収されると、すい臓のβ細胞からインスリンが分泌されます。これにより、ブドウ糖が細胞に取り込まれたり、グリコーゲンとして蓄えたりすることができます。
糖尿病は、さまざまな原因によってこのインスリンが十分に分泌されない、うまく作用していないことで発症します。

インスリンが十分に分泌されていない

インスリンの分泌が十分でないことで、高血糖状態が続きます。また高血糖状態にあると、すい臓は無理にでもインスリンを分泌しようと働き、これによってすい臓が疲弊し、さらにインスリンの分泌が減少します。
インスリンがまったく、またはほとんど分泌されないということもあります。

インスリンがうまく作用していない

肥満や運動不足、暴飲暴食、ストレス、遺伝的要因などによって、インスリンがうまく作用しないために、慢性的な高血糖状態になります。
効きが悪いためにより多くのインスリンが必要になり、これによってすい臓が疲弊し、インスリンの分泌も不足するようになります。

糖尿病は初期症状がない場合も

糖尿病は、初期にはほとんど症状がありません。
ある程度進行してようやく、以下のような症状が現れます。

  • のどの渇き、水をたくさん飲む
  • 頻尿、多尿
  • 夜中に何度も尿意で目が覚める
  • 倦怠感
  • 体重減少

ただ、こういった症状がほとんど、まったく現れないという方もいらっしゃいます。

糖尿病の合併症による症状

神経障害、網膜症、腎症といった合併症の症状としては、以下のようなものが現れます。早急な治療が必要です。

  • 手足(特に足)の感覚低下、しびれ、冷え
  • 傷の治りが遅い、傷ができても気づかない
  • 目のかすみ
  • 視力低下
  • 飛蚊症
  • 長く歩けない、足がよくつる
  • むくみ
  • 息切れ、貧血
  • 食欲不振
  • ED(勃起不全)

糖尿病を放置するとどうなる?合併症の危険性

糖尿病を放置していると、さまざまな合併症が起こります。
早期に糖尿病を発見し、早期に適切な治療を受けることが、これら合併症のリスクの低減につながります。

動脈硬化(大血管障害)

動脈硬化によって太い血管が障害され、以下のような合併症が引き起こされます。

心筋梗塞・狭心症

心臓の血管が詰まる心筋梗塞は、心筋の壊死を招く、命にかかわる病気です。また狭心症では心臓につながる血管が狭くなり、身体を動かした時などに胸の痛みが現れます。

脳梗塞

脳の血管が詰まる病気です。身体の片側のしびれ・麻痺、呂律が回らない、意識の低下といった症状が突然現れます。命を落としたり、重大な後遺症が残ったりする可能性の高い病気です。

末梢動脈疾患(PAD)

脚の太い血管が細くなる・詰まるなどして、血流が低下する病気です。歩行時の脚の痛み・しびれ、足先の傷が治りにくいなどの症状が見られます。小さな傷が潰瘍となったり、壊疽を起こすこともあります。最悪の場合には、足の切断を余儀なくされます。

細小血管障害

動脈硬化によって細い血管が障害され、以下のような合併症が引き起こされます。
これら3つをあわせて、糖尿病の3大合併症と呼びます。

神経障害

手足の先の神経の障害により、血流が低下し、しびれ、感覚の鈍麻などが起こります。内臓の神経が障害されると、便秘・下痢、排尿障害、立ちくらみなどの症状も現れます。

網膜症

目の奥にある網膜の血管が障害される病気です。目のかすみや視力低下などの症状を伴います。「歳だから」といった理由で放置せず、必ずかかりつけ医や眼科を受診してください。最悪の場合には、失明に至ります。

腎症

血液をろ過する腎臓の機能が低下し、尿タンパクが認められます。機能低下が進んで腎不全になると、人工透析が必要となり、仕事など日常生活に多大な影響を及ぼします。

その他の合併症

糖尿病は、上記以外にもさまざまな合併症のリスクをはらんでいる病気です。

認知症

慢性的な高血糖状態は、認知機能の低下を招くことが分かっています。

歯周病

糖尿病は感染症への抵抗性を下げ、歯周病の悪化を招きます。両方を並行して治療することが大切です。

感染症

肺炎、皮膚感染症、尿路感染症など、ウイルス・細菌といった病原体を原因とする感染症にかかりやすくなります。

高血糖高浸透圧症候群

感染、脱水によってインスリンの働きが大きく低下することで、血液の浸透圧が上昇し、昏睡状態に陥ることがあります。高齢の糖尿病の方に起こりやすい合併症です。

糖尿病ケトアシドーシス

1型糖尿病の方に起こりやすい合併症です。インスリンの欠乏によって糖ではなく脂肪がエネルギーへと変換される状態になると、ケトン体が多量に作られます。このケトン体の蓄積によって、意識が低下し、昏睡状態に陥ります。

糖尿病の治療方法

2型糖尿病の治療では、まず食事療法・運動療法を行います。十分な結果が得られない場合には、薬物療法を導入します。
なお1型糖尿病の場合には、診断後速やかにインスリン治療を開始します。

薬物療法

糖尿病の治療方法薬物療法では、内服薬や注射薬を使用します。
通常、まずはインスリンの分泌を促す薬、インスリンの効きを良くする薬、糖の吸収・排泄を調整する薬などの内服薬を使用します。
これらの薬物療法で十分な効果が得られない場合には、インスリンの分泌を促すGLP-1受容体作動薬やDPP-4阻害薬、インスリンの効きをよくするSGLT-2阻害薬やビグアナイド薬、インスリン自体を補充するインスリン製剤といった注射薬を導入します。
なお、上記は2型糖尿病の薬物療法の内容となります。1型糖尿病の方は、速やかにインスリン製剤を使ったインスリン療法を開始する必要があります。当院では、2型糖尿病の患者様には、なるべくインスリン製剤を使用しないよう、内服薬と注射薬でコントロールできるよう努めます。

食事療法

糖尿病の治療方法栄養バランスを整えた食事を、適切な量、摂るようにします。
3食を決まった時間帯に摂る、よく噛んでゆっくり食べる、野菜→肉・魚などのおかず→炭水化物(ご飯・パン)の順番で食べるといったように、習慣・食べ方の改善も大切です。
基本的に、まったく食べてはいけないものはありません。また、間食についても、医師と相談の上、タイミング・種類・量に気をつければ禁止というわけではありません。
院長より、患者様の体格に応じた、1日の総カロリー・炭水化物・タンパク質・脂質摂取量の目安を、ご提案させて頂きます。

運動療法

糖尿病の治療方法ウォーキング・軽いジョギング・水泳などの有酸素運動と、筋力トレーニング(レジスタンス運動)を組み合わせるのが良いでしょう。
糖尿病治療における筋力トレーニングには、腹筋、スクワット、腕立て伏せ、ダンベルなどがあります。強度については、医師とご相談の上、決定してください。また筋力トレーニングは、食後1時間以内に行うことで、血糖値が下がりやすくなります。ご高齢の方、上記のようなメニューが難しい方には、負荷の少ない筋力トレーニングの指導をいたします。